top of page

vol.25 2015年に観た印象深い展示のこと

  • Kotoba
  • 2016年4月24日
  • 読了時間: 4分

Blog担当のRiさん、呑甜が多忙なので今回はKotobaがBlogを更新します^^ スタジオのblogだし、スタジオについて書こうかな?とも考えたのですが

今回は番外編ということで、私が「去年観に行った美術館の企画展で印象に残ったもの」を書こうと思います。 去年皆さんは美術館やギャラリー、博物館へ展示を観に行きましたか? 私も多くはありませんがいくつか観に行きました。その中で1番印象に残った展示がこちら 「ディン・Q・レ展:明日への記憶」

2015年7月25日(土)-2015年10月12日(月)

2015年に森美術館で開催されたベトナム出身のアーティスト Dinh Q Lez(ディン・Q・レ)のアジア初大規模個展です。 森美術館のトレーラーを見てわかる通り、彼の出身国であるベトナム、そしてベトナム戦争に関するインスタレーションや映像作品、立体作品を中心に、また彼が影響を受けたベトナムのアーティスト達の作品を観ることができます。 中でも私が一番印象に残ったのは<人生は演じること>という26分の映像作品です。 来日したディン・Q・レが出会った軍服姿の男性(ミリタリーグッズを集め、リエナクトメントという戦争の再演が趣味)がベトナム戦争の再演を行っていることに興味を持ち作った作品。 こちらのディン・Q・レのインタビューにも出てきます。彼の生い立ちも語られているので是非見てみてください。

私はこの展示を観に行き、ディン・Q・レが共同設立した「サン・アート」http://san-art.org の存在を初めて知りました。 サン・アートは若手アーティストの支援や、地域や政府の現代美術への理解を深めることを目的としてホーチミンに設立された現代美術のためのスペースです。彼は別のインタビューでサン・アートについてこう答えています。 “ 私たち(サン・アート)は、人口1100万人から1200万人の都市の極めて小さな組織で、これまでの8年間の活動で重点的な取り組みは変化してきました。あらゆる人に対応することなどできないので、当初、私たちは一般的な観客にほとんど注意を払っていませんでした。それよりも、現代的な実践、新しい形式、新しいメディウムについて考えているアーティストのコミュニティをつくることに関心を持っていました。対話や実験、失敗のための場所をつくることで、お互いを支え合うことが目的だったのです。 しかし、それは時間とともに変わっていきました。フランス絵画や社会主義リアリズムに基づく美学を抱える画家は、サン・アートを彼らの場所ではないと思っていますが、美術学校自体は徐々に私たちに対するある種の敬意を払うようになってきました。そこで教える教師には現代美術の知識がない。周りの世界が進化しつつあるなかで、彼らの学生は現代美術に興味を持つようになってきたにもかかわらず、教師に情報がないので教えることができないのです。彼らは若いアーティストに技術こそ教えていますが、若いアーティストは不足を補うべく、私たちのところにさらに学びにくるようになったのです。これは関係性の興味深い変化です。嫌々ながらも尊重する。私たちのコミュニティはお互いに折り合いをつけている。そこが鍵ですね。 しかし、ここ二年間にわたり、ディレクターを務めるゾーイ・バット*5 が新しいプログラムを考案し、サン・アートの役割を変えました。現在、ホーチミンにおける知的生活の欠乏に対して、サン・アートは外部から知識人を呼んでレクチャーやワークショップを開いています。私たちのコミュニティには、あらゆる知識の領域が繋がっていることに意識的なアーティストや人々がそれほどおらず、彼らはそれぞれの領域を隣接する領域と隔てて考え続けています。そういうこともあって、私たちはひとつの場所にさまざまな領域を持ち込みたいと考えました。数学者や考古学者、歴史学者、アーティストを招いて、ワークショップを開き、コミュニティのアーティストが異なる知識の領域の間に繋がりを見出だせるよう助けてもらっています。そうすることで、彼らは幅広い理解の手段とともに自分自身の制作にアプローチすることができるわけです。”

彼は世界的に注目され活躍しているアーティストですが、自分の国の小さな都市でこのような活動をしているということが素晴らしいなと思います。 ひとつの場所にさまざまな領域を持ち込みたい (略 )そうすることで、彼らは幅広い理解の手段とともに自分自身の制作にアプローチすることができるわけです

とディン・Q・レは答えていますが、1761studioもそんな場所になったらいいなと。

ちょっと堅苦しい(?)Blogになってしまいましたが、予備知識がなくても視覚的にとても刺激され楽しい展示でした!

この展示の音声ガイドも聴くことができます。 興味を持たれた方は公式サイトの作品紹介を見ながら聴いてみてくださいね。

私は展示を見ながら音声ガイドを聴くのが苦手なので、後から音声ガイドを聴けるの最高!

しかも無料!

今年もたくさんの観に行きたい展示があります。

皆さんもおすすめの展示があったら教えてください。

それではまた!


 
 
 
Featured Posts
Recent Posts
Follow Us
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
Search By Tags
Archive

Copyright©2019 All Rights Reserved are 1761studio.

bottom of page